早めにセミリタイアしたいけど、どうすれば?
この記事は、そんなあなたに向けて書いています。
最近、FIREという言葉をよく聞くようになえりました。
FIREとは、以下の言葉の略です。
Financial
Independence
Retire
Early
上記の頭文字をとった言葉で、直訳すると「経済的自立と早期リタイア」という意味になります。
Financial=財政上の
Independence=独立
Retire=退職
Early=早期
要するに、フルタイムで会社勤めする生活から解放される自由な生き方です。
でも、自分にはハードル高そう…
と思いますよね。
しかし、決して僕らのような一般的なサラリーマンにも実現不可能ではありません。
多くの先人たちが、自分がFIREを達成するまでの道のりをブログ等で示してくれています。
有名なものは、たとえば下記。
僕も将来的には、「サイドFIRE」を実現したいと思っているので、この機会に記事にまとめてみました。
FIREについて詳しく知りたい人は、ぜひ続きをお読みください。
もくじ
現代における投資の重要性
FIREでは、投資を活用して経済的自立を実現します。
それにあたり、まずは「現代における投資の重要性」をお伝えします。
投資が重要である理由は、以下の2点。
①会社員の平均給与が上がらないから
②超低金利だから
1つずつみていきましょう。
①会社員の平均給与が上がらないから
1つ目の理由は、「会社員の平均給与が上がらないから」です。
厚生労働白書によると、1989年の会社員の平均給与(年収)は約452万円。
一方、2018年には約433万円と、約20万円も下がっています。
主要な欧米諸国と比べると、日本だけが実質賃金が下がっているというデータもあります。
②超低金利だから
2つ目の理由は、「超低金利だから」です。
現在のメガバンクの一般的な定期預金金利は、わずか0.002%。
預け入れた100万円が倍になるのは、3万6000年後です。
富裕層になるのは夢物語ではない
少し暗い現実をお伝えしてしまいましたが、決してお金持ちになったりFIREを実現するのは、机上の空論ではありません。
努力次第で実現可能です。
その証拠となるデータをお伝えします。
野村総合研究所によれば、純金融資産保有額が1億円以上〜5億円未満の「富裕層」は増加傾向にあります。
世帯数でいうと、2005年には81.3万世帯だったところ、2019年には124万世帯に“激増”しています。
全世帯の2%、つまり50世帯に1世帯は「富裕層」ということになります。
また、マネー雑誌のアンケート調査によると、「資産額1億円以上」のうち、4人に1人は年収500万円以下の会社員です。
FIRE実現までの3ステップ
前置きが長くなりました。ここからが本題です。
「FIREを実現・実行する3ステップ」をお伝えします。
下記の通りです。
①投資の資産をつくる
②資産を運用する
③資産が大きくなったらリタイアして、資産の一部を取り崩して生活費に充てる
上記のとおり。
端的な補足を加えると、下記のようになります。
①投資の資産をつくる
…稼ぎを増やす、出費を減らす(貯蓄率を上げる)
②資産を運用する
…3ヶ月分の生活防衛資金を残して、インデックス投資
③資産が大きくなったらリタイアして、資産の一部を取り崩して生活費に充てる
…年間4%ずつ売却し、その4%の売却益と配当金の範囲内で生活する
FIRE達成のためには、「年間支出の25倍の資産」が必要と言われています。
仮に年間支出が240万円であれば、6000万円が必要な計算です。
年間支出の25倍の資産が必要な理由には、「4%ルール」が関係しています。
4%ルールとは、
「運用資産の中から毎年4%を取り崩して、その範囲内で生活する限り、資産を減らすことなく、不労所得だけで人生を過ごせる」
というもの。
FIREにおける経済的自立では、資産運用が前提となっています。
若いうちに働いて投資元本を蓄財し、“運用益で生活できる”目途が立った段階でリタイアするのです。
FIREが従来の早期リタイアと異なるのは、
「ビジネスで成功したり遺産相続したりといった、一生暮らすのに困らないような億万長者になることがリタイアの前提にはなっていない点」
です。
「4%ルール」でFIRE達成シミュレーション
一例として、「3000万円を貯蓄できた場合」のシミュレーションをしてみましょう。
この資産を毎年4%の利回りで運用すると、1年間で得られる運用益は「3000万円×0.04=120万円」となります。
つまり、年間で120万円、1か月あたり10万円で生活できれば、資産3000万円でもFIREは達成可能です。
「月々10万円で生活するのはちょっと厳しい」と思われたかもしれません。
そんな人のために、「月々20万円生活」でもシミュレーションしてみます。
運用利回り4%で年間240万円の資産収入(不労所得)を得るために必要な元本は、「240÷0.04=6000万円」です。
6000万円の資産があれば、月々の生活費が20万円でも、資産収入だけで暮らせるということになります。
上記のように、4%ルールを使えば、FIRE達成に必要な資産の額がわかります。
つまり、運用利回り4%の逆数である「生活費の25年分」がFIRE達成の重要な目標になってきます。
生活費25年分の資産があり、年4%の運用益が得られれば、資産を一切減らすことなくFIREが達成できます。
FIREの4タイプ
FIRE達成のための3ステップをお伝えしましたが、
と思われたかもしれません。
しかし、FIREには4つのタイプがあり、種類によっては実現性はグンと上がります。
4つのタイプは以下の通り。
①Fat FIRE(ファット・ファイア)
②Lean FIRE(リーン・ファイア)
③Coast FIRE(コースト・ファイア)
④Barista FIRE(バリスタ・ファイア、別名サイドFIRE)
1つずつみていきましょう。
①Fat FIRE(ファット・ファイア)
資産収入のみで生活できるFIREです。
資産が潤沢にあり、インカムゲインだけでリッチな生活ができる。
②Lean FIRE(リーン・ファイア)
資産収入のみで生活できるが、ストイックな倹約生活が必要なFIRE。
③Coast FIRE(コースト・ファイア)
資産収入のみで生活できるが、趣味として仕事をするFIRE。
④Barista FIRE(バリスタ・ファイア、別名サイドFIRE)
「週5日でなく週3日勤務にする」、「8時間労働を3時間労働にする」など、資産収入と負担の軽い労働で得た収入で生活するセミリタイア的なFIREです。
FIRE達成のために大事なのは「貯蓄率」
FIREを達成する上で大切なのは、「年収に対する貯蓄(投資)の割合=貯蓄率」です。
いくら年収が高くても、稼いだ分だけ使っていれば、投資に回せるタネ銭はたまりません。
逆に、年収が300万円程度でも、コツコツ貯金ができていれば、いずれFIRE達成できる確率は高まります。
投資リターンが年率5%だとすると、FIRE達成までの年数は以下のようになります。
貯蓄率30%→約30年でFIRE達成
貯蓄率50%→約17年でFIRE達成
貯蓄率90%→約3年でFIRE達成
年収1000万円で年間300万円貯蓄している人も、年収300万円で年間90万円貯蓄している人も、貯蓄率は同じ30%。どちらも、FIRE達成にかかる時間は約30年です。
生活費を低く抑えられれば、そのぶん少ない資産と低い運用利回りでもFIRE可能です。
FIREを早期に実現するためには、元本になるお金を用意するため、支出を抑え、収入を増やす努力が必要です。
【出費を減らす】ミニマルライフとFIREは相性がいい
出費を抑えるにあたり、参考になるのが「ミニマルライフ」。
必要最低限の物しか持たずに暮らすミニマリストの生き方は、貯蓄率を上げる意味でも、哲学面でも参考になります。
無駄な出費のない生活に慣れておけば、FIRE達成後の家計に負担が起きにくい。
まずは無駄遣いを減らす意味で、↓の本からミニマリズムについて学んでみるといいでしょう。
【収入を増やす】より多く稼ぐには?
貯金だけでは、資産の増加ペースに限りがあります。
蓄財ペースを高めるには、「稼ぐ力」をつけていきましょう。
まずは本業で稼ぐ
収入の柱となるのは本業。
本業で給与アップを狙うには、資格取得や別部署への異動などがあります。
職場によっては、上記のような努力が報われない場合もあります。何をしても収入に反映されなければ、思い切って転職するのもひとつの手です。
次に副業で稼ぐ
本業で収入アップに成功、もしくは本業の収入アップが望めない場合、副業をはじめてみましょう。
ポイントは、コンビニバイト等の時間の切り売りになるような副業を避け、ストック型の副業を選ぶことです。
ストック型の副業とは、長期間にわたって継続的に報酬を稼げる副業です。
たとえばブログやYouTube等は、コンテンツをつくった1年後も、継続的に収益を発生させてくれます。
副業である程度稼げるようになっていれば、それをセミリタイア後の本業にすることもできます。
いきなりストック型の副業でドカンと稼ぐことは難しいので、コツコツ育てていきましょう。
注意が必要なのは、副業を始めて収入が増えてきたときです。
収入が増えたからといって、固定費を上げてはいけません。
一度上がった生活レベルを引き下げるのは容易ではないし、生活費に必要な固定費を上げてしまうと、FIRE達成に必要な資産額が大きくなってしまいます。
投資を始めるにあたって、まずは生活防衛資金を貯める
手持ち資金を全て投資に回すのは、リスクがあります。
急な入用に備え、生活防衛資金は確保しておきましょう。
金額は各人の生活レベルによりますが、100万円あればある程度カバーできます。
コロナになった際、株価が下がり、生活資金を得るために、含み損の株を急いで売る人がいました。
しかし、株価は上がり下がりを繰り返すもの。少し待てば、株価は回復しました。
生活資金が足りずに急いで株を売ってしまうのは、もったいないことです。こう言った事態を避けるため、生活防衛資金3ヶ月分は必ず現金で残しておきましょう。
投資はどうやればいいの?
ステップ2の「投資」について、ここで詳しく補足します。
とはいえ、複雑なものではありません。
横山光昭氏が書かれた『貯金感覚でできる3000円投資生活デラックス』で紹介されたいたのは、以下の方法です。
「証券口座を開き、月々3000円で投資をスタートし、お勧めの投資信託を買う」
これだけです。
ネット証券に口座を開設し、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」の積み立ての設定をするだけです。
ネット証券は、自宅で簡単に口座開設の手続きができ、手数料が安いのが特徴です。
おすすめされているのは「楽天証券」か「SBI証券」で、いずれもグループ内銀行口座との連携でさまざまなメリットがあります。
「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」のメリットは、1本で全世界の企業に投資ができて、コストが安いこと。
※インデックス投資とは、「世界中に分散したインデックスファンドを積み立て投資して長期保有すること」。手間がかからない点でインデックス投資を超える投資はない。
設定のポイントは、以下のとおり。
○積み立て金額…毎月3000円
○決済方法…毎月の購入金額の引き落とし日(何日でもいい)
○分配金コース…再投資型
あとはほったらかしでOKとのこと。
投資というと毎日グラフやチャートを眺めて一喜一憂するイメージがありますよね。
しかし、インデックス投資であれば、そういった面倒なことは一切なし。
個人投資家にとっては、個人の株式を売買したり、プロのファンド・マネジャーが運用する投資信託に投資するよりも、ただインデックス・ファンドを買ってじっと待っている方がはるかによい結果を生む
投資信託には、「インデックス・ファンド」と「アクティブ・ファンド」があります。
インデックス・ファンドはコストが安く、企業の成長や経済成長の恩恵を受けやすいことなどがメリットです。
FIREのメリット・デメリット
ここまで、FIREを達成する方法について解説してきました。
「FIREは人によって合う合わないがある」というのはよく聞く話です。
「FIREを達成したものの、しばらくして元の生活に戻った」という人も多くいます。
ここでは、一般的な「FIREのメリット、デメリット」について紹介していきます。
ご自身と照らし合わせて、あらためて「FIREを目指すかどうかの判断材料」にしてみてください。
メリット
FIREのメリットには、下記のようなものがあります。
・仕事にとらわれずに生きれる
・自由な時間だけになる
・趣味や家族のために時間を割ける
・仕事による心身への負担を減らせる
・会社勤めから解放される
特に、会社勤めが苦手な人にはメリットが多そうです。
デメリット
FIREのデメリットは下記のとおりです。
・FIRE実現後に破綻するリスクがある
・生活に張り合いがなくなる
・キャリアが止まる
・孤独感に襲われる
・思わぬ出費への対応が難しい
完全なFIREではなく、軽い労働を続けるサイドFIREであれば、上記のデメリットを軽減できそうです。
おわりに
【FIRE達成までの3ステップ】
①投資の資産をつくる
…稼ぎを増やす、出費を減らす(貯蓄率を上げる)
②資産を運用する
…3ヶ月分の生活望遠資金を残して、インデックス投資
③資産が大きくなったらリタイアして、資産の一部を取り崩して生活費に充てる
…年間4%ずつ売却し、その4%の売却益と配当金の範囲内で生活する
FIREについて調べてみて、「サイドFIRE」に興味が出てきました。
もし、同じようにセミリタイアに興味がある人にとって、この記事が参考になっていれば嬉しいです。
FIRE達成には、まずは節約して出費を抑えることが大事ですから、当ブログの節約関係の記事もオススメです。