なぜ、使わない金のためにあくせく働いてしまうのか?
今回紹介する本は、コンサルティング会社『BrisaMaxホールディングス』のCEOであるビル・パーキンスさんが書かれた、
『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』
です。
□とにかく節約してお金を貯め込んでいる
□お金の使い道がわからない
□老後に不安がある
上記に当てはまる人は必見の1冊。
本書を読むと、「お金とは手段に過ぎない」ということがヒシヒシと伝わってきます。
人生を豊かにするには、どんなお金の使い方をすればいいのか?
そのヒントを見ていきましょう。
この記事は3分以内に読めます。
もくじ
記憶の配当
モノは買った瞬間の喜びは大きいが、次第にその喜びは減っていく。だが、経験から得る価値は時間の経過とともに高まっていく。私はこれを、「記憶の配当」と呼んでいる
お金は何に使うべきか?
答えは、経験です。
旅行や新しい体験など。
これらは、経験している最中はもちろん楽しいですし、それを思い出すときにも楽しみを味わえます。
同額でも、モノより経験にお金を使うことで、喜びを最大化することができます。
お金から価値を引き出す能力は、加齢とともに下降する
同じ額でも、それを使う人の年齢によって、引き出せる価値は変わります。
先述した『記憶の配当』で考えるとわかりやすい。
たとえば、20歳のときにディズニーランドに行ったとします。
寿命が100年だとすれば、その思い出を80年楽しめます。
対して、もし40歳のときにディズニーランドに行ったとすれば、思い出を楽しめるのは60年間。
楽しみは早めに味わっておいた方が、より多くの記憶の配当を得られるということです。
また、体力が必要な体験は、おじいさんよりも若者の方が楽しめることは明らかです。
たとえばお金を出してマリンスポーツをするなら、若いときのほうがより激しい種目で遊べます。
体力が低下してきたタイミングだと、遊べる種目に限りが出てしまいますからね。
「お金を使うのは老後に取っておく」という人は多いでしょう。
しかし、それはもったいない。
今しかできない経験に、積極的にお金を使うべきです。
ここで、アメリカ労働統計局が行なった2017年の平均年間支出額の調査をご紹介しましょう。
世帯主の年齢別の年間支出額は、以下のようになりました。
55~ 64 歳 | 6万5000ドル |
65~ 74 歳 | 5万5000ドル |
75 歳以上 | 4万2000ドル |
つまり、年齢が増えるごとに、支出額は減っているのです。
老後の出費にビビり倒して貯めまくっても、結局はムダに余らせてしまう可能性があります。
子供に財産を与える最適な年齢
本書の主張は、タイトルのとおり、「死ぬまでにすべてのお金を使い切ろう」。
しかし、「子どもへの財産は残しておかなくていいのか?」という意見もあります。
その点について、筆者は、「生きているうちに譲ればいい」と言います。
その年齢は、26~35歳。
理由は、下記の2点。
・若すぎず、金を適切に扱える年齢であること
・お金を使うメリットが大きい年齢であること
「死んでから譲る」では、子どもにとってお金の価値を引き出せるピークを過ぎた年齢になってしまっている可能性が高いです。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
読んでいると、「お金の価値が高いうちに、有意義にお金を使っておこう」という気になってくる1冊でした。
他にも、
・死ぬ間際の最大の後悔
・「非対称リスク」に直面したときの合理的な判断
・30日後に引っ越すことを想像したグループの学生は幸福度が高い
など、お金の使い方で失敗しないポイントが満載。
「正しいお金の使い方を知りたい!」というあなたには必読の1冊です。