今回は、お金にまつわる心理学を。
最近、鈴木祐さんの『科学的な適職』を読み返しました。
↑では、「年収と幸福度の関係」に関する研究が紹介されていて、面白かったので共有しようかなと。
みなさん、「年収は高いに越したことない」「収入あげたい」と思ってますよね。
はい、同じく。
ただ、幸福度の観点から言えば、「年収が高ければ高いほど幸せになる!」というわけでもないみたいです。
以下で詳しく見ていきましょう。
もくじ
年収800万円が幸福度のピーク
ノーベル賞を受賞したダニエル・カーネマンは、自身の研究で「年収800〜900万円で幸福度の上昇は横ばいになる」ということを明らかにしています。
これは、世界中、どんな職種でも同様です。
有名な研究で、知っているという方も多いでしょう。
僕も、当ブログのサブタイトル「年収800万を目指すなら」は、この研究に由来します。
ただ、この数字は、あくまで最大値。
つまり、「それ以上はいくら稼いでも幸福度がほぼ変わらなくなる」という金額を示したもの。
令和元年に内閣府が発表した「満足度・生活の質に関する調査」によると、世帯年収が300万〜500万円を過ぎたあたりから、満足度の伸びは鈍化します。
年収アップで幸福度を上げるのは効率が悪い
もっとわかりやすい結果が出ているのが、次に紹介する研究です。
2010年に発表された日本をふくむ世界140ヵ国の収入と幸福度の相関を計算した研究がたどり着いたのは、以下の結論です。
年収400〜430万円を超えた場合、そこからさらに幸福度を5%高めるには、追加で年に400〜430万円が必要になる
現時点で400万円稼いでいる人が倍稼いでも、幸福度はほんのちょっとしか上がらない。
人生になんとなく不満がある人が、より稼ぐことで充実感を得ようとするのは、よくあるパターン。
でも、残念なことに、年収アップだけで満足感を得ようとするのは、心理学的に間違っているようです。
本業より副業で収入アップを狙うべき?
心理学の観点から言えば、出世したり転職して本業収入を増やすより、副業で稼ぐ方がよさそうです。
なぜなら、お金から得られる幸福感は、「相対的」に決まりやすいから。
ヤラシイ話ですが、年収アップの喜びは、他者と比較することで実感できる。
これは、心理学で『ランク所得説』と呼ばれる現象です。
一流企業に入って年収1000万プレーヤーになっても、周りも同等の額を稼いでいるなら、幸福度はそこまで上がらない。
これを踏まえて個人的に思ったのが、「じゃあ副業で稼いだ方が良くない?」ということ。
副業であれば、周囲の人たちから突き抜けて稼ぐことができます。
ひとりぐらしなら十分だけど…(個人的意見)
現在の自分は平均年収程度ですが、それでも納得できるところがありました。
というのも、お金って、ないときは「欲しい!」と強烈に思うのですが、いざボーナス等の臨時収入がドン!と入っても、その時点ではそこまで嬉しくない。
やはり、お金をどう使うか、というのが大事なんだと思います。
今回紹介した研究を知って、「じゃあ年収増やす努力はムダだからやーめよ!」と思ったかと言うと、答えはノー。
一人暮らしなら300〜500万で十分ですが、結婚して子どもをつくるとなると、もう少し欲しいというのが本音。
やはり、800万くらい稼いで初めて、お金の不安から解放されるのかな、と。
引き続き、本業はもちろん、副業をがんばっていこうと思った次第です。
おわりに
今回ご紹介した研究が掲載されている『科学的な適職』は、audible版もあります。
プロのナレーターが聞き取りやすく朗読してくれるので、読書の時間が取れない人にもオススメです。
今回紹介した内容以外にも、「仕事の幸福度を決める7つの徳目」など、仕事選びでタメになる情報が満載。
「今の仕事をもっと面白くしたい人」、「転職を考えている人」は、一度読むとその後の人生でずっと役に立つ1冊です。
気になる方は、ぜひ読んでみてくださいね。