この本は、そんなあなたに向けて書いています。
そんなあなたにオススメなのが、
『おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密』
です。
オススメな理由は、この本の書き方が、とても読みやすく、初心者が途中で脱落しないようなつくりになっていること。
中学生でも理解できるような身近な視点から、お金・仕事・投資・経済の全体像についてインプットます。
この記事では、本書を読んで最もインパクトがあった内容を中心に解説していきます。
もくじ
どんな本?
この本はどんな本か?
一言で表すと、
「さわやか学園系マネー小説」
です。
そうです。
小説なんです。
なぜマネー本なのに小説の形式が取られているかと言うと、作者の高井浩章さんが、実の娘さんに向けてお金のことをわかりやすく解説するために作られたからです。
そのため、お金に関する小難しくて理解しづらいことを、噛み砕いて非常にわかりやすく解説してくれています。
たとえば、昔公務員予備校で習ったときは全然理解できなかった「神の見えざる手」の意味について、ストンと理解できました。
読後感がさわやか!
そして、読後感がヒジョーにさわやかです。
涼しい風が木々の隙間から通り抜けるようなさわやかさです。
甘酸っぱい学生同士の恋愛の要素なんかも入ってます。
キレイゴトだけじゃない。
しかし、書かれているのはキレイゴトだけではありません。
中には、人間の醜さを考えさせられるシーンもあります。
人間の醜い部分を、ただ単に「悪」とは切り捨てられないような難しい問題を、気づけば作中の中学生と一緒になって考えていました。
「フツー最高、フツーなめんな」
僕が本書で強烈にインパクトに残っている言葉。
それが、「フツー最高、フツーなめんな」です。
この言葉が、「障害者の雇用」や「GDP」に結びついてくるのですが、まずは前提として、この本独自とも言える、「一番おいしいポイント」から解説していきます。
仕事の3分類
この本最大のユニークポイント、それは「独特な仕事の分類方法」です。
本書によると、仕事は以下の3つに分類されます。
・かせぐ
・もらう
・ぬすむ
という具合にツッコミどころ満載です。
ですが、仕事を「役に立つかどうか」、「稼げるかどうか」などのモノサシで考えていくと、だんだんと見えてくるものがあります。
たとえば、先生、昆虫博士、高利貸し、パチンコ屋、バイシュンフ。
これらの仕事が3つの類型のどこに収まるのか?
非常に見所のあるシーンですので、ぜひ本書で楽しんでいただきたい。
で、この3類型の分類のモノサシは、以下のようなものです。
かせぐ
…とても役に立つ
もらう
…フツー
ぬすむ
…役に立たない
このうち、「かせぐ」と「ぬすむ」はわかりやすい。
人の役に立って、なおかつ富を増やすような仕事は「かせぐ」。
人からモノやお金を奪うような危ない仕事は「ぬすむ」。
では、フツーとは?
本書では、めちゃくちゃ稼ぐわけじゃない、ほどほどな人、あとは他人に害を与えないけど、ほぼ働かないニートみたいな人を「もらう」に分類しています。
こう聞くと、「かせぐ」に比べて、「もらう」がとてもショボく感じられたのではないでしょうか?
そこで、あの言葉が登場します。
「フツー最高、フツーなめんな」
GDPを増やすには?
「フツー最高、フツーなめんな」
の言葉の真意を早くお伝えしたいのですが、まだです。
まだ前置きが必要です。
もう少しお付き合いください。
それには、GDPについての解説が必要です。
GDPとは、
gross
domestic
products
の略。
国内のモノ・サービスの総生産量を表します。
国内のGDPの多さは、以下の方程式で表すことができます。
1人あたりGDP×総人口
人1人あたりのGDPを増やす。
つまり普通のビジネスマンが「デキるビジネスマン」に進化すれば、GDPはアップします。
もしくは、「総人口」、つまり働き手を増やすだけでもGDPはアップします。
別にビジネスマンが進化しなくても、フツーのビジネスマンが1人増えるだけでも、GDPはアップすると。
なんとなく、わかってくるころではないでしょうか?
だんだん、
「フツー最高、フツーなめんな」の輪郭が見えてきました。
さらに、「障害者の雇用」について解説して、「フツー最高、フツーなめんな」に強烈なスポットライトを当てていきます。
障害者の雇用とGDP
GDPを増やす方法の1つ、それが「総人口」を増やすこと。
総人口とは、「働き手の総数」のことですね。
本書では、「社会科見学」として、とある工場を訪れます。
その工場は、知的障害者を積極的に雇っていました。
障害者の雇用数の法定義務が2%ですが、その工場では、働いている人の10%が知的障害者です。
彼らは、健常者の最低基準並みの給料を受け取っています。
具体的に言うと、月収15万円。
年収で言うと、200万円。
日本人1人あたりの平均GDPは年間400万円です。
年収400万円の人を「かせぐ人(=役に立つ)」とすると、年収200万円の人は、数字だけ見れば「もらう人(=フツー)」にならざるを得ません。
ですが、これってGDPアップにしっかり貢献することですよね?
だって、その工場がなかったら、彼らは働くところがありません。
しかし、その工場は、知的労働者の「慣れた作業を繰り返すことにものすごい集中力を発揮する」という強みを買って、知的労働者を積極的に雇っているのです。
ここに、「フツー最高、フツーなめんな」の真髄があります。
バリバリ働くことだけがGDPアップに寄与するわけじゃない。
仕事の選択肢が少ない人たちの強みを見出し、雇用を生み出す。
いわば、「フツー」で「それなりにプラスを生み出す人」の人口を増やす。
「もらうだけ」にならざるを得ない人を、「それなりにプラスを生み出す人」へと引き上げる。
本書を読むと、それも経済を豊かにするための1つの方法であることがわかりました。
この視点は、今まで読んできたマネー本や仕事本にはありませんでした。
バリバリ働いてナンボなんや!
という意識高い系の人にこそ読んでほしい内容です。
経済活動について、「鳥の視点」から俯瞰的に考える良い機会になるかと思います。
おわりに
お金の仕組み、全体像について理解を深めたいという人、加えて
という人には、ドンピシャでオススメの1冊。
今ならKindle Unlimitedで無料で読めるので、早めにチェックされることをオススメします。