YouTuberより小説家が稼げる?
今回紹介する本は、ベストセラー作家の松岡 圭祐さんが書かれた、
『小説家になって億を稼ごう』
です。
□Youtuberやブログなど、王道の副業で失敗してきた
□想像力、妄想力には自信アリ
□どうせ稼ぐなら、大きく稼ぎたい
上記に当てはまる人には要チェックの一冊。
デビュー作『催眠』がミリオンセラーになり、大藪春彦賞候補作『千里眼』シリーズが累計628万部を超える人気作に。
そんな著者が、あなたに新しい稼ぎ方を提案してくれます。
都内に家が買えるだけの貯金があっても、通勤がないため、わざわざそこに住む理由はありません。郊外に広めの家を買い、高級車に乗る選択肢を有します。電車は乗りません。日中は道路が渋滞するかもしれませんが、小説家は時間が自由なので、夜中に空いている道を走れます。郊外の家とは別に、都内にマンションがあれば、夜のうちにそちらへ移動しておくことで、買い物など用事も難なくこなせます。
『小説家になって億を稼ごう』より
この記事は3分以内に読めます。
もくじ
稼ぐ小説のつくりかた【想造】
そんなあなたに著者が提案するのが、『想造(そうぞう)』。
以下のような小説創作の手法です。
・好きな女優、俳優の写真を壁に貼って、それぞれに魅力的なプロフィールを書き添え、その部屋で寝食して過ごす。
・キャラクターの行動を、空想する。
力まず、自発的に動き出すのを待ち、さらにその行方を追う。
・うまく動き出さなければ、剥がして、別のキャラクターに入れ替える。
・頭の中で物語が完成するまで、書きはじめない。
メモすら取らない。
上記のとおり。
なぜこの手法が効果的なのでしょうか?
理由は、筆者が想像できるものは、読者も脳内で想像できるから。
これまでの小説指南書で解説されてきたのは、「アイディア」「プロット」「ストーリー」を用いた、起承転結に基づいた作り方。
しかし、この発想法は複雑で凝ったアイデアが必要であり、手垢がつきすぎている。
想造は、よりイノセントで直情的な現代の読者に刺さる手法です。
また、脳内での実体験を追想して文章表現するため、ノンフィクション作品と同じような重量感と迫力を得られます。
メモを取らない理由は、書き換えの手間を考えてのことです。
文字に起こしたストーリーを修正するのは大変ですが、想像であれば一瞬で書き換え可能だと松岡さんは言います。
この創作手法の大部分は、側から見ればなにもしていないような気になるかもしれません。
しかし、空想にふけっているだけの時間を、不安に思うことはありません。
ここが良い小説になるかを左右する、最も時間をかけるべき、最も重要な段階だからです。
取材やメモをしていると、目に見える成果物ができるので、いかにも仕事をしている気になる。
しかし、本当に進捗させるべきは、作者の頭の中の空想です。
想造、ざっくり解説しました。
本書では、「メインは○人、脇役は●人」など、かなり細かく解説されています。
本記事ではとても解説しきれないので、気になる方は実際に読んでみることを強くオススメします。
小説家になるための読書
小説家は読書家なイメージがあります。
しかし、松岡さんが推奨するのは多読ではありません。
文章表現の手本に選んだ2、3冊を繰り返し読む。
上記のような読み方を推奨しています。
それはもう、暗記してしまうくらい読む。
あくまでも文章の型を身につけるのが目的で、他作品から発想を参考にするような多読はしなくてもいい、ということでしょう。
しかし読書嫌いのアニメ好きでありながら、ラノベ作家として富を築いた人は複数います。そんな彼らの作品を邪道呼ばわりするのは、抽象絵画をでたらめだと言うのと同じです。新規の創作には、過去のいかなる常識も当てになりません。
『小説家になって億を稼ごう』より
稼ぐ作家になるための3つの立ち振る舞い
ここからは、想造によって作品が完成したあとにするべきことを、厳選して3つご紹介していきます。
応募する新人賞は、大手の権威ある新人賞
「出版に際しては、規定の印税が支払われる」と書いてある公募に絞りましょう。
契約前の編集者との協議
プロの作家になったのに儲からないという人は、契約前の協議が不充分なことが多いように思えます。
『小説家になって億を稼ごう』より
最重要は、正当なギャラが支払われること。
と恐ることはありません。
しっかり話し合うべきです。
編集者は、上司から、「新人作家は安く買い叩け」と指示を受けている場合があるそうです。
まずはギャラの形態を聞きましょう。
「原稿買取で印税はつかない」と言われたら論外です。
シリーズものを書く
映像化が決まった時点で続編を書き、シリーズ化しておくと、映像版が世に出ると同時に、シリーズ全体の売れ行きが伸びます。
著者の松岡さんも、多くのシリーズものを手がけています。
・万能鑑定士Q
・千里眼
・探偵の探偵
・高校事変
おわりに
今回紹介した内容以外にも、
・逆打ちプロット
・映像化の依頼を受けた時の対応
・「小説家になろう」や「カクヨム」に参入するときの注意点
といった、具体的な内容が盛りだくさん。
小説を「ビジネス」として捉えて解説しているのは、この本だけ。
「想像力、妄想力を活かして稼ぎたい!」という人は、ぜひ読んでみてくださいね。