こちらの本は、2008年に刊行されました。
『行動経済学』について書かれた本書は、米国各メディアのベストセラーリストを席巻。
「現金は盗まないが鉛筆なら平気で借りパクする」
「頼まれごとならがんばるが安い報酬ではやる気が失せる」
といったような、お金に関する人間の不合理な行動ってありますよね。
そういった行動に焦点を当て、「僕たちの生活に活かしていこう!」、といった内容です。
経済学では、人間は合理的な行動をすることを前提としています。
ですが、実際の僕たちは不合理な行動ばかりをしまてしまいます。
心理学と経済学を掛け合わせた行動経済学は、これまで心理学を一通り勉強し、これから新たに経済やビジネスについて詳しく勉強したいと思っていた僕にとって、とても興味を惹かれるものでした。
もくじ
この本の著者はどんな人?
著者名
ダン・アリエリー Dan Ariely
肩書き等
・行動経済学研究の第一人者
・デューク大学教授。
受賞歴
・ユニークな実験研究によりイグ・ノーベル賞を受賞。
他の著書
・『不合理だからすべてがうまくいく』
・『ずる――嘘とごまかしの行動経済学』
「無料」に人は惹かれる
さて、本書から厳選に厳選を重ねて紹介するのは、「無料の魔力」について。
みなさん、「無料」「タダ」って言葉についつい反応してしまうのではないでしょうか?
実は、「無料」という言葉には、僕たちが思っている以上に、僕らを不合理に陥れる力があるのです。
結論
・わたしたちは「タダ」「無料」といったワードに無意識に惹かれてしまう。
理由
・人間は「失うこと」を本質的に恐れるから
・損失回避の法則(プロスペクト理論)
…人間は「得すること」よりも「損しないこと」を選ぶ。
事例
面白いのはここから。
本書に掲載されていた興味深い事例を2つご紹介します。
チョコの実験
高級チョコ(リンツのトリュフ)と安いチョコ(ハーシーのキスチョコ)を、同じ額値下げして、どちらか1つを選んで取ってもらえるようにしました。
安いチョコは、値下げした結果無料になりました。
結果、69%の人が安いチョコを選び、高級チョコを格安でゲットできる機会を失いました。
ちなみに、値下げしても無料にならない程度に値下げした場合は、73%の人が高級チョコを選びました。
無料の魔力、おそるべし。
幸福になる外食の支払い方
複数人で外食する場合は、「自分が何も支払わないとき」がもっとも幸福度が高いそうです。
また、「少しでも支払わなければならない」となると、幸福度は下がってしまうとのこと。
つまり、「おごってもらう人」が食事の席では1番幸せってことですね。
応用例
上記の2つの事例を参考に、以下のように日常生活や仕事に活かすことができます。
・ビジネスの一部を無料にする
・複数人で外食するときの支払いは一軒ごとに持ち回り制にする
おわりに
ブログでは紹介しにくいキワドいテーマも取り扱われており、とても面白い一冊です。
「行動経済学に興味が出た!」
という方はぜひ手に取ってみてください。